本日の朝礼は「異見会」です。

2016年2月8日(月)

おはようございます。

豊臣秀吉の軍師として仕えた黒田官兵衛が始めたといわれる「異見会」というものがあります。藩主と家臣が、平等の立場に立って、重要課題について自由に討論する会です。それだけでなく、家中での藩主の評判なども話題にし、特に「耳の痛いこと」を選んで藩主の耳に入れます。

言われて都合の悪いことに耳をふさぎたがるリーダーが多いなか、黒田家では風通しのよい政治手法が取られていたといえます。

「意見会」ではなく「異見会」としたのは、イエスマンばかりが周りにいては、正しい判断ができないためです。

会を始めて、家臣が批判的であることに気づき、官兵衛は反省しました。家臣の批判を受け入れられる官兵衛は、度量の大きな人物でした。

社内では、

「部下の諫言に耳を傾け、正しく判断して、改善すべきところは改善するリーダーは、素晴らしいです。自分の意見に賛成する人ばかりを周囲に集めていると、本当に正しいことを言っているのか、信用できません。耳の痛いことを言ってくれる部下も大切にし、苦言にも耳を傾けられる、器の大きなリーダーになりたいと思います」

「批判的な意見も受け入れる官兵衛をすごいと思いました。同時に、藩主に対して批判を言える家臣も勇気があると感じました。きっと官兵衛のことを尊敬し、強い信頼関係があるからこそ、できたことなのでしょう。私は、上司に意見を言う場合は、思ったことをそのまま言うのではなく、理解してもらえるように、丁寧な言い方をしています。諫言にも気遣いが大切だと思います」

「リーダーは、さまざまな人の意見を聞き入れたいと思う場合は、それほど興味がないと思う意見であっても、真剣に聞く必要があると思います。ましてや異なる考えや言いにくい意見を言ってくれる部下こそ大切です。これは上司と部下の関係だけでなく、同僚や友人であっても同じです。人に意見を求めるときは、それが同意的な意見でも批判的な意見でも、真摯に受け入れる姿勢が重要です」

という意見が出ました。

官兵衛が始めた「異見会」は長い間続き、黒田家も長らく安泰だったといいます。それは、家臣の諫言を聞き入れ、正しい判断をするという考え方が代々引き継がれ、藩として、正しい判断を続けることができたからに他なりません。イエスマンばかりの意見を聞いていたのでは、時代に流されてかもしれません。現代の経営者でも、イエスマンをそろえてワンマン経営をしてきたけれど、それが間違っていたと考えているという声も耳にします。諫言する部下は、リーダーや会社のことを真剣に考えている人だと捉え、そのような意見にこそ、耳を傾け、強い組織にしていくことが求められています。

今日もみんなで「ついてる!ついてる!」

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