
おはようございます。
植物学者で、東京大学大学院教授でもある塚谷裕一さんの著書に『スキマの植物図鑑』があります。アスファルトの割れ目や電柱の根元などのスキマに生える植物を、写真とともに紹介したものです。塚谷さんはそのようなスキマこそ、植物にとって楽園だというのです。
広々とした場所には他の植物も生えていて、互いに光を求めて背を高く伸ばす必要がありますが、割れ目などなら他の植物が入り込む余地がなく、日差しなどを独り占めできるからだそうです。
人間からは「居心地が悪い」と思われていた場所が、植物にとっては「居心地の良い」ものだったのです。
塚谷さんは「他人が考える居心地の良さを求めるのではなく、自分が思う居心地の良さを求めればいい」と語っています。
社内では、
「独身の友人は、ワンルームの部屋に1人でいるより、漫画喫茶の狭い個室で過ごすほうが落ち着くといいます。他人からどう思われているかなどを気にしないタイプなので、自分らしい居心地の良い場所を見つけていて、うらやましく思います。私も少しでも居心地の良さを求められるよう、あまり他人の意見にばかり左右されないようにしようと思います」
「私は他人の評価などが気になって、あまり好きでもないのに、他人の意見に賛同して参加し、自分を押し殺してしまいます。参加した後、やはり行かなければよかったと反省することが多いため、他人の物差しで自分の幸福をはかるのではなく、自分が良いと思うことにもっと目を向けて、生活していきたいと思います」
「他の動物が来ない険しい岩場で生息する猿は、競争がなくエサを独占できるため、居心地が良いのだと思います。ただ自分の好きなことだけをしていればよい、というふうに都合よく受け止めると、自己中心的な生活になってしまうことがあるため、厳しい環境に身を置くくらいの気概を持ちながら、ある一面では居心地の良さを求めるようにしていきたいです」
という意見が出ました。
私たちはアスファルトに咲く小さな花などを見ると「狭くてかわいそう」と思いがちです。同様に、他人に対しても、「あの人、あんな生活をしていて大変そう」と一方的な判断を下すことがあります。しかし、その人にとってその生活は居心地が良く、落ち着くのかもしれません。
もし、今、自分が窮屈な思いをしていると感じているのなら、人目をあまり気にすることなく、自分にとって居心地の良い場所や過ごし方を探すことを心掛けてみましょう。それにより、心が落ち着いて、新しい発見があるかもしれません。
今日もみんなで「ついてる!ついてる!」