【従業員のモラルが低い②】社内の悩みを解決する朝礼

2023年04月24日

コラム

今日のお悩み

Q 「従業員の年齢、経歴などが多様なため、それぞれの価値観や考え方が違います。それ自体は良いことなのですが、モラルに対する意識にも個人差があるので、良い悪いの判断が一定しません。全員に共通したモラル意識を持ってもらうにはどうすればいいでしょうか」

A わかります。多様性は組織を活性化につながりますが、個々でモラルの差があるのは困りますね。育った環境や受けてきた教育が違うため、「あたりまえ」の基準も違います。その場合、個性は尊重しながらも、全員に共通した規範が必要です。「挨拶をする」「感謝が大事」「整理整頓」など、一見あたりまえに思える教えを、あらためて全員で共有することが大切です。共有の場としては、朝礼の場や、全体会議、社内報などを利用するのがいいでしょう。また、一度か二度で終わるのではなく、何度も繰り返し伝えること。頭で理解するのと実践できるかは違います。毎日繰り返して浸透させることが重要です。

解決のため、↓↓↓の朝礼記事も参考にしてみてください。

育ちの良さ

マナースクールを経営する諏内えみさんの著書、『「育ちがいい人」だけが知っていること』が話題を集めています。
諏内さんは、育ちの良さとは「マナー以前のちょっとした所作や言葉遣い、佇まい」だといいます。具体的には、目の前の人を気遣う、相手の言葉に素直に耳を傾ける、臨機応変に対応する俯瞰力がある、などのことです。
たとえば、諏内さんは著書のなかで、お店などで同席している人が飲み物をこぼしたとき、「大丈夫!?」ではなく、「大丈夫よ」と言うほうがいいのではないかとアドバイスしています。こぼした人の気持ちを考えるなら、騒がずに、「大丈夫よ。今お店の方におしぼりをいただくわね」と落ち着いて言ったほうが、安心してもらえるからです。
この例から、形式だけでなく、心掛けの問題なのだとわかります。
諏内さんは、「育ちの良さ」は誰でも手に入れられるものだと語り、大切なのは、そういった振る舞いや心づかいを知ること、そして学ぶことだといいます。一朝一夕にできることではありませんが、お手本となる人を見習ったり本を読んだりして、地道にマナーや心づかいを身に付けたいものです。

今日の言葉:自分自身を育てましょう

『月刊朝礼』2021年11月24日

失わない財産

「あなたはどのくらい資本を持っていますか」と聞かれたら、何と答えますか。資本というと、お金を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、それだけではありません。
フランスの社会学者ピエール・ブルデューが提唱した「文化資本」は、金銭以外の個人的な資本です。「言葉づかいや行動様式など身体化されたもの」
「絵画や書物など物として客体化されたもの」「学歴や資格として制度化されたもの」の3つがあります。
どのような文化資本を持っているかは、人生に大きな影響を与えます。
たとえば、本に囲まれて育った人は読書や勉強が習慣になる、しつけに熱心な家庭で育った人は自然に礼儀作法が身に付くなども、文化資本によるものです。日本では昔から「育ちの良さ」と呼ばれてきたものでもあります。
生まれ育った環境によるところは大きいですが、この資本は本人次第で身に付けたり、増やしたりすることもできます。さらに、金銭と違って一度身に付けると失うことはありません。あらためて文化資本を与えてくれた親に感謝し、自分を高める努力をしましょう。

『月刊朝礼』2018年10月5日

この記事の著者

梶谷 友美

『月刊朝礼』編集長

画立案、原稿作成、取材、写真撮影、デザイン、校正・校閲……。プロの技術と知識で本づくりのお手伝いいたします。イメージを形にするのが編集者の仕事です。著者が納得するまでサポートいたしますので、何でもお気軽にご相談ください。