挨拶しない新入社員への対処法|原因と効果的な指導方法
2026年01月27日
コラム
目次
- 挨拶しない社員の5つの心理と理由
- 挨拶をさせるための具体的な指導方法
- パワハラにならない指導の伝え方
- 挨拶しないことのリスクと職場への影響
- 挨拶が生まれる職場環境の作り方
- ケース別!挨拶しない社員へのQ&A
- まとめ
「新入社員や部下が挨拶をしてくれない…」「職場の雰囲気が悪くならないか心配…」部下を持つ上司や教育担当者の方なら、一度はこんな悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。
挨拶はコミュニケーションの基本ですが、なぜか挨拶をしない社員がいるのも事実です。頭ごなしに叱っては、パワハラと捉えられかねません。
この記事では、挨拶をしない社員の心理的な背景から、角を立てずに改善を促す具体的な指導方法、そして挨拶が活発になる職場環境の作り方までを分かりやすく解説します。
この記事を読めば、挨拶しない社員への適切なアプローチが分かり、チーム全体のコミュニケーションを活性化させるヒントが得られるはずです。
挨拶しない社員の5つの心理と理由

挨拶をしない社員を指導する前に、まずは「なぜ挨拶ができないのか」その背景にある心理や理由を理解することが大切です。考えられる主な理由を5つ紹介します。
挨拶の習慣がなく必要性を感じていない
そもそも挨拶をする習慣がなく、その必要性を感じていないケースです。特に、学生時代のアルバイト経験が少なかったり、オンラインでのコミュニケーションが中心だったりした若手社員に見られることがあります。
彼らにとって挨拶は「してもいいし、しなくてもいいもの」という認識かもしれません。悪気があるわけではなく、単にビジネスマナーとしての重要性を知らないだけなのです。
人見知りや緊張で声を出すのが苦手
極度の人見知りや緊張から、声を発すること自体が大きなハードルになっている可能性もあります。特に新入社員の場合、新しい環境や慣れない人間関係の中で「誰に」「どのタイミングで」挨拶をすればいいか分からず、タイミングを逃してしまうことも少なくありません。
「挨拶をしたい気持ちはあるけれど、勇気が出ない」という内面的な葛藤を抱えているケースです。
世代間の価値観の違いや考え方の相違
近年、働き方やコミュニケーションに関する価値観は多様化しています。「挨拶は体育会系の古い慣習」「仕事さえしっかりやれば問題ない」といった考えを持つ人もいます。
これは、挨拶に対する価値観の世代間ギャップが原因の一つです。上司世代が「挨拶は当たり前」と考えていても、若手社員は「もっと合理的なコミュニケーションを重視すべき」と考えている可能性があります。
過去に挨拶を無視された経験がある
過去に勇気を出して挨拶したにもかかわらず、無視されたり、そっけない態度を取られたりした経験がトラウマになっているケースも考えられます。
一度でもそのような辛い経験をすると、「挨拶しても無駄だ」「また無視されたら傷つく」という防衛心理が働き、挨拶を避けるようになってしまいます。
業務に集中しすぎて周りが見えていない
目の前の業務に没頭するあまり、周りの人が通っても気づかないというパターンです。特に、高い集中力が求められる職種や、納期に追われている状況では起こりがちです。
この場合、本人に悪気は全くなく、単純に視野が狭くなっているだけです。声をかければ普通に挨拶を返してくれることも多いでしょう。
挨拶をさせるための具体的な指導方法

挨拶しない理由が様々であるように、その指導方法も相手や状況に合わせて変える必要があります。ここでは、効果的な4つのステップを紹介します。
ステップ1:まず上司・先輩から挨拶する
最も重要で、最初にすべきことは、上司や先輩から率先して明るく挨拶することです。挨拶は鏡のようなもので、こちらから働きかけることで相手も返してくれる可能性が高まります。
「〇〇さん、おはよう!」「お疲れ様!」など、相手の名前を呼んで挨拶すると、よりパーソナルなコミュニケーションとなり効果的です。まずは「挨拶しやすい空気」をこちらから作ることが、指導の第一歩です。
ステップ2:1on1で挨拶の重要性を伝える
挨拶をしない状況が続く場合は、1on1ミーティングなど、他の人がいない個別な場で話す機会を設けましょう。その際、感情的に叱るのではなく、なぜ挨拶が重要なのかを論理的に伝えます。
- チームワークへの影響…挨拶はチームの一員であるという意識を高め、円滑な連携につながる。
- 信頼関係の構築…日々の挨拶の積み重ねが、いざという時に相談しやすい関係を作る。
- 社外からの評価…来客や取引先は、社員の挨拶で会社の印象を判断する。
このように、本人やチームにとってのメリットを伝えることで、納得感を持って行動を変えやすくなります。
ステップ3:チームのルールとして明文化する
個人の問題として注意し続けるのではなく、「チームのルール」として挨拶に関する方針を明文化するのも有効な手段です。
例えば、チームの行動指針(クレド)やキックオフミーティングの資料に、以下のような項目を盛り込みます。
- 出社時・退社時には、フロアにいる全員に聞こえるように挨拶をする。
- 廊下などで社員とすれ違う際は、必ず挨拶をする。
- 朝礼で挨拶の練習をする。
ルール化することで、「あの人だけが言っている」ではなく「チーム全体の決まりごと」として、全員が同じ認識を持つことができます。
ステップ4:改善が見られない場合の対応
上記ステップを踏んでも改善が見られない場合は、より踏み込んだ対応が必要になることもあります。
再度1on1で話し合い、挨拶ができない具体的な理由を深掘りします。もし、メンタルヘルスの問題や、特定の人間関係のトラブルが背景にある場合は、人事部や専門の窓口と連携することも検討しましょう。
また、協調性も業務遂行能力の一部です。指導を重ねても改善の意思が見られない場合は、人事評価の際に「協調性」の項目でマイナス評価となる可能性があることを、冷静に伝える必要が出てくるかもしれません。
パワハラにならない指導の伝え方

挨拶の指導は、一歩間違えると「パワハラ」と受け取られかねません。部下を追い詰めることなく、前向きな行動変容を促すための伝え方のポイントを解説します。
感情的にならず事実ベースで話す
「なんで挨拶しないんだ!」といった感情的な叱責は絶対に避けましょう。相手を萎縮させるだけで、根本的な解決にはなりません。
「最近、挨拶の声が聞こえないけれど、何かあったかな?」のように、あくまで客観的な事実を伝え、相手を気遣う姿勢で話を切り出すことが重要です。
人前での叱責を避け個別に伝える
挨拶をしないことを、他の社員がいる前で指摘するのはNGです。本人に恥をかかせることになり、プライドを深く傷つけ、かえって態度を硬化させてしまいます。
指導や注意は、必ず会議室や面談スペースなど、1対1になれる場所で行うのが鉄則です。
効果的な声かけフレーズ集(OK例)
- 「〇〇さん、おはよう!今日も一日よろしくね!」(まずは自分から実践する)
- 「朝、〇〇さんから挨拶してもらえると、こっちも元気が出るよ。ありがとう!」(挨拶してくれた時に褒める)
- 「挨拶は、チームで気持ちよく仕事するための潤滑油みたいなものなんだ。だから、意識してくれると嬉しいな」(1on1で重要性を伝える)
- 「何か話しづらいこととか、困っていることはない?」(相手の背景を探る)
避けるべき声かけフレーズ集(NG例)
- 「なんで挨拶もできないの?社会人として常識でしょ?」(人格否定、決めつけ)
- 「みんなやってるんだから、君もやりなさい」(同調圧力)
- 「挨拶しないなら、チームにいる資格ないよ」(脅迫的な表現)
- 「また挨拶しなかったな」(監視するような言い方)
挨拶しないことのリスクと職場への影響

「たかが挨拶」と軽く考えていると、個人や組織に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
チームワークの低下と生産性の悪化
挨拶は、コミュニケーションのきっかけです。挨拶がない職場では、社員同士の会話が生まれにくく、業務上の報告・連絡・相談も滞りがちになります。
結果として、情報共有がうまくいかず、ミスや手戻りが発生し、チーム全体の生産性が低下する恐れがあります。
職場の雰囲気悪化と離職率の増加
挨拶のない職場は、どこかギスギスしていて心理的安全性が低い状態です。社員は「自分は歓迎されていないのでは」と感じ、孤立感やストレスを抱えやすくなります。
このような雰囲気の悪い職場は、社員のエンゲージメントを下げ、優秀な人材の離職につながるリスクを高めます。
本人の人事評価へのマイナス影響
多くの企業では、人事評価の項目に「協調性」や「コミュニケーション能力」が含まれています。挨拶は、これらの能力を測る基本的な指標の一つです。
挨拶ができないことは、協調性に欠けると判断され、昇進や昇給においてマイナスの評価を受ける可能性があります。本人のキャリアにとって、決してプラスにはなりません。
挨拶しないだけでクビ(解雇)になるか
「挨拶をしない」という理由だけで、社員をクビ(解雇)にすることは法的に非常に困難です。解雇には、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要とされます。
ただし、挨拶をしないことが原因で他の社員とのトラブルが頻発したり、上司からの再三の業務命令(指導)に従わなかったりした場合は、協調性の著しい欠如や業務命令違反として、懲戒処分の対象となる可能性はゼロではありません。しかし、解雇に至るケースは極めて稀です。
挨拶が生まれる職場環境の作り方

個人の意識を変えるだけでなく、組織全体で挨拶しやすい文化を醸成することが根本的な解決策となります。
管理職が率先して挨拶を徹底する
最も効果的なのは、社長や役員、部長といった管理職が誰よりも率先して挨拶をすることです。上の立場の人たちが楽しそうに挨拶をしていれば、その雰囲気は自然と部下にも伝わります。
「指示する」のではなく「背中で見せる」ことが、挨拶文化を根付かせる一番の近道です。
新入社員研修で挨拶の重要性を教える
新入社員が入社した最初のタイミングで、ビジネスマナー研修の一環として挨拶の重要性をしっかりと教えることが重要です。
なぜ挨拶が必要なのか、その背景にある考え方や会社としての期待を伝えることで、社会人としての基礎を身につけてもらうことができます。
朝礼や会議の場で挨拶の時間を設ける
毎日の朝礼や定例会議の冒頭で、意識的に挨拶や簡単なアイスブレイクの時間を作るのも良い方法です。
「〇〇さん、おはようございます!週末はどうでしたか?」といった短い会話でも、コミュニケーションのハードルを下げ、話しやすい雰囲気を作ることができます。
サンクスカード等で感謝を可視化する
「サンクスカード」やチャットの感謝を伝えるチャンネルなどを活用し、日々の感謝を可視化する仕組みも有効です。
「〇〇さん、先日はありがとうございました」といった感謝の言葉が飛び交う職場では、自然とポジティブなコミュニケーションが増え、挨拶も生まれやすくなります。
ケース別!挨拶しない社員へのQ&A
ここでは、よくある具体的なケースごとに対処法を解説します。
上司や管理職自身が挨拶しない場合は?
まずは自分から、その上司に対して挨拶を続けてみましょう。根気強く続けることで、状況が変わる可能性があります。それでも変わらない場合は、さらにその上の上司や人事部に相談することも一つの手ですが、慎重な判断が必要です。まずは、自分の部署内だけでも挨拶の文化を作ることに注力するのが現実的かもしれません。
職場全体に挨拶する文化がないときは?
いきなり全体を変えようとせず、まずは自分のチームや隣の席の人から挨拶を始めてみましょう。あなたの行動が少しずつ周りに影響を与え、小さな輪が広がっていく可能性があります。「自分が起点になる」という意識を持つことが大切です。
何度注意しても部下が改善しないときは?
指導方法が適切か、本人が抱える根本的な問題は何かを再度見直す必要があります。1on1でじっくりと話を聞き、なぜできないのかを一緒に考えましょう。メンタルヘルスの不調が疑われる場合は、産業医やカウンセラーとの連携も視野に入れてください。最終手段として、人事評価への影響を伝えることも考えられますが、関係性を損なわないよう伝え方には細心の注意が必要です。
社長に挨拶しない社員への対応は?
基本的には、他の社員への対応と同じです。まずはその社員の直属の上司が、挨拶の重要性や会社としてのスタンスを伝えるべきです。社長は会社の「顔」であり、社長への挨拶は組織への帰属意識の表れでもあります。なぜ挨拶をしないのか、何か特別な理由(過去のトラブルなど)がないかを確認した上で、丁寧に指導することが求められます。
まとめ

挨拶をしない社員への対応は、一筋縄ではいかない難しい問題です。しかし、その背景にある心理を理解し、適切なステップを踏んで指導することで、状況は改善できます。
この記事のポイントを振り返りましょう。
- 挨拶しない理由を決めつけず、相手の背景を理解しようと努める。
- 指導はまず自分から挨拶する姿勢を見せることから始める。
- 注意する際は、人前を避け、感情的にならずに事実を伝える。
- 個人の問題だけでなく、チームや組織全体で挨拶しやすい文化を作ることが重要。
挨拶は、お金も時間もかからない最もシンプルなコミュニケーションです。しかし、その効果は絶大で、良好な人間関係と活気ある職場の土台となります。
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