【基本のビジネスマナー⑨】
ビジネス文書のマナー

ビジネス文書は、大きく分けて社内文書と社外文書があります。

社内文書は、用件を正確に伝え、記録を残す意味でも重要です。仕事の質を上げるためにも、文書作成の基本マナーを身に付けましょう

日々の社内業務を円滑に行うために、また情報を正確に共有するために欠かせないのが社内文書です。会社から社員に出す「通達書」「指示書」、社員から会社への「報告書」「稟議書」、部署間で交わされる「照会状」「依頼書」など社内文書もさまざまです。社内での定型がある場合はそれを用い、目的や用件は明確に、文章は客観的に簡潔に書きましょう。
社内文書の基本やマナーを身に付けることは、スキルアップにもつながります。

社外文書は、会社を代表して送る文書です。用件だけでなく、礼儀正しい文章を書くことが必要です。

社外文書には、取引先などに送る「通知状」「依頼状」や、「礼状」「お詫び状」、担当者の転勤や着任に伴う「挨拶状」があります。また、社名変更や取締役変更などに伴う「お知らせ」、パーティーやイベントの「案内状」「招待状」など多岐にわたります。一定のフォーマットに準じて作成するのが一般的ですが、形式的になりすぎると逆に失礼です。文書作成の基本とマナーの知識を身に付け、誠意が伝わり、なおかつ礼儀をわきまえた文面にしたいものです。

社内文書作成のマナー

社内文書は、A4サイズで横書きが一般的です。「伝えたい内容を正確に書く」ことが最優先なので、遠回しな表現は避け、わかりやすい文章で書くのが基本です。そのため、「拝啓」「敬具」などの頭語・末語や、時候の挨拶は省略しましょう。
敬語は、「出席願います」や「ご出席ください」のように最低限にとどめます。ただし、あくまでもわかりやすさを優先するのが目的であり、失礼な表現でいいというわけではありません。文章は「です・ます調」、数字はアラビア数字で統一します。要点を箇条書きにするとより読みやすくなります。
ビジネス文書では、「1つの文書で伝える用件は1件のみ」を心掛けましょう。

基本的な書き方

文書の右最上段に作成した「日時」を入れ、1段下・左端に「宛名」を記載します。その下・右端に発信者を明記します。
宛名には相手の部署名と役職名、氏名はフルネームで入れます。複数の部署に宛てる場合は「部長各位」など、最後に「各位」を付けます。そして発信者欄には、部署名と氏名をフルネームで入れましょう。
その後、本文の最初に、用件が一目で分かるように「件名」を付けます。「記」と掲げた後に、箇条書きで要点をまとめ、「以上」で締めくくります。また、添付書類があれば資料名と枚数を明記し、最後に、問い合わせ先の担当者の部署名と氏名、内線などの連絡先を書いておきましょう。

社外文書作成のマナー

社外文書では、結論や最も伝えたいことから書く社内文書とは違い、頭語と結語、時候の挨拶、敬語を使い、礼儀正しい表現を心掛けましょう。専門用語の乱用や、誤字・脱字はマナー違反です。
式典の招待状は、日時、場所、目的、連絡先を明記します。会費が必要な場合は金額も記入します。記載漏れがないか、必ず確認しましょう。間違いがないか十分注意し、特に人名や組織名は念入りに確認しましょう。「挨拶状」や「礼状」は、時候の挨拶、感謝の言葉や、結びの文章を必ず入れます。また、 句読点は付けないのが一般的なマナーです。 
催促状や抗議文でも、敬意を持った文章にします。

基本的な文章のつくり方

宛名には先方の社名、発信者には自社の社名を必ず入れます。その際、(株)などの略字は使いません。会社・部署宛ての時は「御中」を、営業部長などの役職名や個人宛ての時は「様」、複数名に宛てる時は「各位」を使用します。
前文で「拝啓」などの頭語や、時候の挨拶を行った後、「さて」の言葉の後に、用件を簡潔にまとめた主文を書きます。続いて、末文で終わりの挨拶を述べ、右下に「敬具」「敬白」などの結語を記載し締めくくります。
目的と内容によっては横書きですが、年賀状や、お礼状・挨拶状などの儀礼文書は縦書きです。