A・ウイッキー

頑張れ! 日本人

海洋学を学ぶため日本へ留学

 私は、紅茶や宝石で有名な、熱帯の国スリランカで生まれました。子どものころは、毎日のように、海やプールで泳いでいました。体中が真っ黒に日焼けし、ついたあだ名が「アザラシ」です。それほど海の好きな子どもでした。

 大学を卒業後、セイロン(現スリランカ)政府の水産庁に研究員として勤務。しかし、少年時代から海に憧れ、親しんできたからでしょうか、研究員という仕事に飽き足らず、本格的に海洋学を学びたいという思いが、強くなってきました。しばらくして、日本とカナダの留学試験を受けました(理由は、当時世界で水産物の水揚げ量が、トップクラスだったからです)。結果、両方とも合格したのですが、返事が早かった日本に決めました。

 昭和36年(1961年)、文部省(当時)の国費留学生として来日。留学試験も、留学説明会も英語でした。当然、日本でも英語で勉強するものだと、頭から信じていました。

 ところが、いざ教室に入ると講義は、全て日本語で全然わかりません。本当に大変な毎日でした。そんなとき周りの人たちに、ずいぶん助けていただきました。特に、東京大学農学部の事務室の金子さんからの親切は、一生忘れることはありません。

ちょっとした縁でテレビ番組に

 英会話を教えていたとき、生徒の中に、テレビのプロデューサーの奥さんがいました。ご主人は、日本テレビの新番組「ズームイン朝!」に出演する外国人を探していました。ちょっとした縁でオーディションに参加したところ、番組スタッフに大受け。「ワンポイント英会話」のコーナーに出演することになりました。

 あるとき、青森市内で「How far is the airport?」(飛行場まで、どのくらいかかりますか?)と尋ねたところ、アシスタント・ディレクターが、私の持ち時間が「あと30秒」というフリップを見せました。それを回答者が、勘違いして、「30秒です」と答えたのです。生放送のため、やり直しがきかず、番組は散々でした。

 テレビ出演をしたことにより、さまざまな土地でたくさんの日本の方たちと話をすることができました。この体験を通して感じたことがあります。それは、ほとんどの日本の方たちは英会話に対して、根拠のない恐怖心を抱いていることです。

 英語は机に向かって勉強するものですが、英会話はハートです。熱い心さえあれば、年齢、性別に関係なく、いつでも新しい世界に飛び込むことができます。

 これからも、英会話教室や大学の講義、マスコミとあらゆる機会を通じて、「英会話は怖くない」ということを1人でも多くの日本の方たちにアピールしていくつもりです。

目的を持って、強く生きよう

 来日して約50年。振り返ってみると、来日した当時の日本の方たちは、貧しくても、顔が輝いていました。今は昔と比べて経済的に、はるかに豊かになっていますが、元気がありません。何だか生きる目的を失いつつあるように感じています。もう一度、心の底から「頑張れ! 日本人」とエールを送りたいと思います。

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